blogぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会 - 2011/06

サークルぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会




2011年06月29日(Wed)▲ページの先頭へ
三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会(三重県・考える会)7月例会案内
三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会

(三重県・考える会)


7月例会

日時 : 7月 2日(土) 13:30〜16:30
 
会場 : アスト津 3F ミーティングルームAB

 
家族の体験を聞く
 
…父親の立場から…


・娘さんが不登校からひきこもりになり、後に弟さんもいじめが原因で不登校となり高校を中退したというお父さんのお話をうかがいます。現在20代の娘さんは家事をしたり買い物などで外へ出かけたりはできるようになっていますし、弟さんもアルバイトがきっかけとなって立ち直り、大都市に出てアルバイトをしながら専門学校に通っています。まだまだ回復途上ですが、これまでの経過やその時々の親としての思い、そして現在の姿と未来への願いをありのままに語っていただく予定です。
・例会後、スタッフによる不登校・ひきこもりの個別相談も受け付けます。


2011年06月22日(Wed)▲ページの先頭へ
三重フレネ研究会 6月例会案内
三重フレネ研究会 
 
〈6月研究会の提案 〉
 
6月25日(土)  午後3 : 30 〜 6 : 00 
 
三重大学教育学部2F グループプロセス室


(教育学部道路側階段を上がった右角)

・会場は教育学部2Fのいつもの部屋になっています。
正門横の駐車場から向かって左の建物の階段横にある教室です。
校舎の入口がしまっていますので、佐藤もしくは浜口まで電話して下さい。

《テーマ》
 
夏のフレネ教育全国集会に向けて
 

・4月、5月例会のミニ・レポートを持ってきた方は、その後の実践を踏まえたレポート(完成していなくても)を、4,5月に参加できなかった方でも、何か少しでもまとめられそうなら、ぜひ持参してご参加下さい。また、8月の滋賀での全国集会には三重からたくさん参加しましょう。


2011年06月11日(Sat)▲ページの先頭へ
発達障がいと不登校・ひきこもり C
4、対応のポイント
 

 
さて、子どもが不登校やひきこもりの状態になった時、人間関係のトラブルが原因のひとつである可能性がありそうな時は、発達障がいの可能性もある、ということを心の隅に入れておく方が良いでしょう。その上で、「発達障がい」について知る努力をすると良いかも知れません。というのは、発達障がいではない不登校やひきこもりの子に対する対処方法として正しいことが、発達障がいの子にとっては不適切な対処となる場合もあるからです。一般の定型発達の子にとっては「心のエネルギーが弱まっている間は待つ」というのは適切な対応の1つです。けれども、それは本人が自由に決断するということにつながっているので、選択することや決断することが苦手なある種の発達障害の子にとっては混乱のきっかけになる可能性もあるのです。
 
そうしたことから、子どもの現実をよく見極めることも大切です。というのは、発達障がいといってもそのくくりは大まかなものですし、同じように「アスペルガー症候群」という診断を受けたとしても、子どもによって、その差は千差万別です。だから、今の時点で 子どもにどのようなことができて、何が出来ないのか、どんな時にトラブルをおこしやすくなるのか……というようなことを知っておくことも大切です。
現実をよく見極め、それを受け入れることは、言葉にするのは簡単ですが、けっこう難しいものです。以前、死と向き合うことをテーマにした話を聞いたことがあります。上智大学の教授であったアルフォンス・デーケンが、癌などの不治の病で死の宣告を受けた人の心の動きについてキュープラ・ロスの分析を紹介していました。自分の死という「現実」を前にして、多くの人はまず「なぜ自分はこんな運命に見舞われなければならないのか」と怒り、「そんなことあるわけが無い」と否認し、あるいは「まじめになる」とか「熱心な信者になる」といったような形で神や運命と取引しようとしたりするが、やがて現実を受け入れることにより心の平安を取り戻し、残りの人生を有意義に生きることができるというのです。ところが、キュープラ・ロス自身は、自分自身の死を前にして「受け入れる」ところまではいかず「怒り」の段階に留まったまま死を迎えた……というような話も聞いています。
 
自分の死……とまではいかないまでも、自分自身が発達障がいである……とか、自分の子どもが発達障がいである……という「現実」は、大人でも簡単には受け入れられない場合があります。また、受け入れるにはそれなりに時間も必要となる場合も少なくないようです。けれども、やはり「現実」を受け入れることで先に進むことが出来ます。それなりに、覚悟を決める/腹をくくる必要はありますが、それによって道も開けてくるものです。
 
さて、自分自身や子どもが発達障がいであることを受け入れることができれば、「本人の現実」を理解することが出来るようになってきます。その上で、得意なことや理解できること、苦手なことや限界(ここまでは出来るがこの先は難しい、あるいは非常に時間がかかって本人には負担が大きいというようなこと)を意識すれば、こうすれば良い……ということも見えてきたりしますし、やれることも少しずつ見つかってくるものです。
 
例えば、ADHDで集中できない子がいるとしても、あらゆることに対して1秒も集中できない……ということはまずありません。数学の計算問題の練習で1時間集中してやることは出来ないかも知れませんが、自分が「できそうだ」と感じられる問題なら15分程度なら集中できるかもしれません。観察によってその辺りを見極められれば(それこそ「現実」を受け入れることの1つです)、毎日15分練習をする……という目標設定をして、続けられるような工夫をすればいいのです。
 
あるいは、1人では集中できないならば、やっている間は大人(見守る人)が横にいてあげれば20分集中できるかも知れないのです。それから、実年齢よりも少し精神的に幼い感じがけっこうあるので、中学生くらいでも、シールや「よくできました」などのかわいい感じの判を押したりすることで「できたこと」を目に見える形で残してあげるとやる気を維持しやすい場合もあります。
  
他にも、学校では、学級の席は窓側や廊下側の後の方などでは気が散りやすいので、なるべく先生に近い前の席に置いてもらう方が本人は集中しやすくなる……というようなこともあります。それから、感情のコントロールが出来難くなりやすい傾向があるような場合は、教卓の下とか保健室とか、本人が怒りの感情に支配された時にクール・ダウンできるようなスペースをうまく確保してもらうことでトラブルが少なくなったりもします。
 
対応する側も感情的になってしまって大声で叱ったりすると余計に反発したり、逆に極端に萎縮してしまって何もできなくなってしまったりすることもあります。大人の側もすぐに対応を変えるのは難しいのですが、意識していくことで、あまり良くない対応が徐々に減っていきますし、それと比例して子ども本人も落ち着いてくる……ということにもなります。ですから、周囲の大人の側も、まず、自分の出来そうなことから意識して、続けられそうな対応をしていくことが大切です。そうしていくことで、少しずつ本人も周りも変わっていけるのではないかと思います。
 
また、出来ないことに時間をたっぷりかけて人並みにしようとするよりも、出来ないことはある程度までで諦めて、出来ることを伸ばしていくような形で接していくことも大切です。例えば、計算が苦手ならば、ある程度の基本的なことができるようになったら、後は「電卓を使っても良い」ということにして計算で苦しむ時間を少なくし、長所を伸ばしていくような「勉強」の仕方やスケジュールを考えてあげるような配慮は、本人のやる気を損ないませんし、また集中力や意欲も出てくると思います。精神的にも、将来のことを考えても、興味や長所を伸ばす工夫をしていけると良いでしょう。
 
それから、コミュニケーションがなかなかうまくいかない……という困り感がある場合、挨拶や対応などの基本的なことを【スキル】(対人関係の技術)として教え込む……というのも1つの方法です。挨拶をしてニコッとするだけで相手は悪い気はしなくて良い気持ちになるので挨拶が大事なんだ……と教えてあげる。あるいは、自分の思っていることばかりしゃべっていても相手にも都合があったり様々な感情があったりするのでトラブルになることがあるから相手の話をよく聞いてから自分が話すように心がけるとトラブルが少なくなる……というような形で話をしてあげる。そのような繰り返しの中で、本人が納得して心がけるようになれば、かなりトラブルも減ってくるでしょう。
 
また、子どもが小さい場合は、親が相手の子どもや親に、「こんな話し方をするけど悪気があるんじゃなくて、他の人の気持ちが分かり難いところがあるので許してあげて、気をつけてあげて」と声をかけたりフォローしたりすることで相手の様子や対応もずいぶん変わってきます。そんなサポートもしてあげられれば良いかもしれません。
 
いろいろと述べてきましたが、今、私が整理して伝えることができるのはこれくらいです。ただ、けっこう多くのことを述べてきましたので「あれも、これも…そんなにしなければならないのか」と感じた方があるかも知れません。しかし、大人ではあっても人間であり神様や仏様ではないので、1人であれもこれも完璧にしようと考えてしまってはすぐに疲れてしまい、やがて何も出来なくなってしまうでしょう。そのため、場所や相手を選ぶ必要はありますが、弱音を吐いても良いのです。
 
それに、完璧にできなくても、他の人たちがフォローしてくれるような形を作れれば問題はありません。だから、1人で抱え込んだり、一人でやらなければいけないし誰も分かってくれないというような考えを持って孤立しないことがとても大切です。自分で意識して出来ることを続けながら、他の人々といっしょにやっていければ良いと思います。
                                  【完】


2011年06月10日(Fri)▲ページの先頭へ
発達障がいと不登校・ひきこもり B
3、教育の発想とカウンセリングの発想 
 
ところで、発達障がいにどう対応していくか、ということについてですが、実は、医療的な対応とカウンセリング的な対応、そして教育的な対応では微妙に考え方が違います。非常に極端な言い方をすると、医療的には「生きている」ことが目標、カウンセリング的には周りと「適応」できるようにすることが目標、教育的には高校にいける程度の「学力・能力」をつけることが目標……などということになるかも知れない、という事です。
 
どうサポートしていくか、という観点から見れば、「生存」も「適応」も「学力・能力」も、それぞれ大切なポイントだとは考えられますが、状況によって、医者とカウンセラーと教師の判断が違う……ということが出てくる場合があります。ただ、それは、それぞれの立場で真剣に対応しようとする結果でもある訳です。
 
例えば、フレネ教育の仲間が特別支援学校で生徒と関わっていた時の実践で、教師として「外」/色々な他者と関わっていける力を身に付けていって欲しい、という考えである程度自由に動ける子どもたちのクラスとほとんど寝たきりの子どもたちのクラスとの交流を積極的に進めようとしたことがありました。が、医療的な立場からは寝たきりの子どもたちの安全面を考えるとかなりの不安があったようです。そのため、当初はその実践に対して否定的な声も上がったそうです。それでも、教師は諦めず地道に本人たちやスタッフとの交流を進めていきました。そうして様々な形で交流が進められた結果、双方の子どもたちの感情の発達の面や心の教育の面で大きな効果があったようです。
 
それから、こんな例もあります。教師の側からすれば、先のことを考えれば「せめてこれだけのこと」はできるようになって欲しい……という思いから多くの課題を出して練習させようとしました。ところが、集中力が続かず、一度教えられたこともなかなか身に付かないような状態ではその課題の量がプレッシャーになり、精神的にしんどくなって、勉強や学校がいやになる……あるいは頭痛や腹痛などの症状が出てしまう、というようなケースが見られるのです。
 
悪意はなく、真剣にその子のことを考え、何とか良い方向に……と願っていても、その専門的な知識や立場によって、「ここまで」という目標設定は違ってくることがあります。だからこそ、様々な立場で接する人たちの連携の有無が大きなポイントになってくるのです。そのためには、親でも先生など周囲のサポートをする立場の人でも、1人で抱え込まないことが重要になります。孤立したまま悩まないで、SOSの声をあげるというのも大切なことなのです。
 


2011年06月09日(Thu)▲ページの先頭へ
発達障がいと不登校・ひきこもり A
2、発達障害と不登校・ひきこもり
 
冒頭で、不登校・ひきこもりの相談の場において「発達障がいかも知れない」と感じるケースがあることを述べました。何らかの発達障がいという条件があり、しかも周りに気付かれずに不適切な対応が続けられると、本人が意識しているかどうかは別として、周りから「困ったヤツ」と見られたり軽んじられたりし続けることが多くなります。そしてその結果、その言動や性格形成、精神的な成熟・成長にマイナスの作用がもたらされ、さらなる問題行動や精神的な疾患に至る場合が少なくありません。
 
例えば、やさしく分かりやすい記述でADHDについてまとめベスト・セラーになった『のび太・ジャイアン症候群』という本の著者である司馬理英子さんは、その著書の中でADHDが対応のまずさによっていじめや不登校にいたるケースが少なくないことを指摘しています。
 
司馬さんは、ADHDを多動性や衝動性が強く出る方のタイプを【ジャイアン型】、不注意が優勢でぼうっとしていて積極性の乏しい方のタイプを【のび太型】とニック・ネームをつけて分かりやすく説明しています。そして、【ジャイアン型】が環境の中で自己肯定感を失って他者への不信を増幅し、反抗的・攻撃的な行動パターンを繰り返していくと反抗挑戦性障害や行為障害といった人格障害に発展するような二次障害を引き起こし、いじめっ子になってしまうケースがあると言います。
 
一方、【のび太型】は引っ込み思案で攻撃に対しても言い返したり反撃したりできないためいじめられっ子になったしまうケースも少なくないようです。また、【のび太型】では普通の定形発達の子であれば不安を感じても自らを励ましながら乗り越えていく課題に足がすくみ、動けなくなってしまう形で不登校やひきこもりにいたったりする可能性があるということです。
 
他にも、【のび太型】【ジャイアン型】を問わず、集中力が続かないために練習量が不足して学習についていけなくなり、不登校へと至るケースもあるそうです。また、【ジャイアン型】で学校への不満や周囲に対する不満を問題行動や非行へとエスカレートさせてしまい、不登校へと至るケースもあるようです。(司馬理英子 『のび太・ジャイアン症候群』 主婦の友社 より)
 
それから、ストレスに耐える力が、同年代の定型発達の子どもたちよりも弱いという特徴もあります。そのため、一般の子たちが何とか折り合いをつけられるような出来事であっても、発達障がい圏の子どもたちは深く傷付き、また立ち直るのによけいに時間がかかってしまう、というようなことになりかねません。そうした特徴も、普通の定形発達の子どもたちよりも不登校・ひきこもりになりやすい要因と言えるでしょう。



2011年06月08日(Wed)▲ページの先頭へ
発達障がいと不登校・ひきこもり@
はじめに 
 
不登校・ひきこもりの相談の場で家族の方から話をうかがっていると、当事者の発言や行動の様子などから、もしかしたら何らかの発達障がいも関係しているのではないか、と感じることが時々あります。また、学校の現場の様子から、あくまでも個人的な感触ではありますが、発達障がい圏の児童・生徒が以前に比べて増加している傾向があるようにも思えます。そこで今回は、発達障がいということをベースにおきながら不登校やひきこもりの問題について考えてみたいと思います。
 
 
1、発達障がいとは何か

最近、「発達障がい」という言葉を目にしたり耳にしたりする機会が多くなりました。私自身もカウンセリングの勉強の中で発達障がいについて何度も学びましたし、学習支援教員として発達障がい圏の子どもたちと実際に接したり直接指導したりするという経験も持っています。ところが、言葉そのものは現場ではそこそこポピュラーにはなっていますが、発達障がいについての理解はそれほど進んではいません。
 
先月もこんなことがありました。隣接する市内の行きつけの喫茶店のカウンターで紅茶を飲んでいた時、たまたまある会社の重役と話をしていたら、「こまった社員がいて…」という話になり、配置転換をした途端にトラブルが続出したというのです。もう少し詳しく話を聞いてみて、どうも発達障がいらしい特徴があると感じました。そこで、1人でもくもくとやる決まった仕事はとても丁寧でしっかりやれていなかったかを尋ねてみたら、配置転換の前はそういう仕事できちんとやれていた、という事でした。それが、営業の仕事に回った後、トラブルが続出したということだったので、その社員はアスペルガー症候群のような発達障がいの可能性があり、人間関係を調整するのが苦手である可能性が高いから、できれば元の配置に戻して能力の発揮できる仕事をさせれば本人にとっても会社にとってもプラスになる、という風に話をしました。

また、市内の行きつけのショット・バーでも以前話をしたことのあったお客さんに話しかけられ、少し会話をしているうちに「困った従業員がいて…」という話になりました。これまた詳しく話を聞いてみると、気は良いんだけど集中を持続して仕事を続けたり、資格取得のための勉強がなかなかうまくいかなかったり…ということでしたので、不注意方のADHD系の発達障がいの可能性かあるように思われました。そこで、そのような人たちに対する接し方としての注意やサポートの仕方について話をしました。

発達障がいの子どもたちはここ10年ほどの文献でも一割程度は存在していると書かれています。実際に学校現場で子どもたちと接しているとクラスに数人程度は発達障がいもしくはそのボーダーラインの少し上くらいにいる子ではないか……と思われる子はいますし、私自身の実感からしてもそれは増加傾向にあるようです。だから、ごく普通の日常的な仕事の中で発達障がいの傾向のある人たちと接する機会はあって当然なのです。
 
それでも、きちんとした知識を持って接すれば何でもないし、かえって発達障がいの人が、その対人関係面の不器用さと引き換えに持っている優れた能力を発揮して素晴らしい業績を上げる可能性もあるのです。ところが、それを知らずに接しているとお互いに嫌な思いをするし、内外でトラブルが頻発することにもなりかねません。
 
現在、発達障がいについては、サポートする施設や学校や当事者・その家族の間でこそ多少は理解され始めていますが、一般の人にはまだまだ理解が進んでいないのだ、ということを、私はこれらの体験から実感しました。ただ、学校や当事者、その家族の間でも十分理解されているか、ということについても、実際はかなり心もとない状況です。
 
例えば、一昨年でしたか、知人から連絡があり、知り合いの人が「子どもが、発達障がいだ」と言われたが、どうしていいか分からずに途方に暮れている…という電話がありました。そこでその後、その人にあって発達障がいについての説明をし、いくつかの気をつけることや、今後の対応などについて1時間ぐらいかけて詳しく説明をしてあげました。そして、このような例は、決して特別な例だとは言えないと感じられるのが現状です。

では、発達障がいとは何なのか。心理内科医で『発達障害に気づかない大人たち』などの著作で有名な星野仁彦さんは主な発達障がいを以下のようにまとめてくれています。


注意欠陥・多動性障害(ADHD)
・注意が散漫になりやすい、落ち着きがない、集中力がない、感情のコントロールがきかない、計画性がない、衝動的な行動を起こす
〔 感情のコントロールがききにくく活動的だが衝動性の強い、いわゆるジャイアン型と、集中力の維持が困難でぼうっとしているように見えることが多い、いわゆるのび太型など大まかに分けてもいくつかのタイプがある 〕
 
自閉症スペクトラム障害
・自閉症、アスペルガー症候群(AS)を含めた総称、根本的な障害が共通し、スペクトラム(連続性)があることから名づけられた。特徴としては、人の感情が理解できないため対人関係がうまくいかない、人との会話が成り立たない、コミュニケーション能力が乏しい、興味や関心を持つ範囲が限定的、こだわりが強い
〔 話をしている相手や周りの人たちの思いや感情、気持ちを想像して思いやる力が同年代の子どもや人たちよりも未熟で、言葉の裏にある真意や感情を感じ取ることが苦手であるために皮肉や比喩を言葉通りにストレートに受け取ってしまったりする傾向がある。自分の好きなことや興味のあることには素晴らしい集中力を発揮し、好きな教科の勉強では普通の同級生たちよりも優れていたりするが、対人関係や突発の出来事に際しての融通がきき難い傾向がある 〕
 
学習障害(LD)
・読む、書く、計算するなどの能力のうち、いずれかに支障をきたす
〔 話すことは普通にできるのに、極端に読めない、話したり読んだりはできても、なかなか文や文字を書けない、話したり読み書きは普通にできるのに計算はできない、あるいは非常に遅い…といった傾向が小さい頃からずっと続いている 〕
 
知的障害(精神発達遅滞)
・全般的な知的能力に遅れがある。
 
発達性協調運動障害
・うまく走れない、ハサミが使えないなど、運動や手先の作業に困難をともなう
〔 手先の作業などが極端に不器用で、手足の連動したような動きや別々の動きがしにくく縄跳びなども苦手 〕
                          (〔 〕は引用者)
 
      『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』 幻冬舎新書 p.14〜15
 
 
ただ、ここに列挙した説明を見ただけではピンとこない方も少なくないかも知れません。小さい子どもはだいたい落ち着かなかったり集中力が続かなかったりするものですし、普通の大人でも感情的な人は結構いるからです。けれども、発達障がいかも知れない…という判断は、同年齢の他の子どもたちと比べても落ち着きのなさや集中力のなさ、衝動性が際立っていて、その状態が成長していっても年齢に応じた改善があまり見られなかったりする場合は注意が必要です。また、こだわりが強すぎて融通がきかず、日常生活において相手との関係で極端にトラブルが多かったりする、といったような通常の定型発達の子たちとの比較において極端な差が長期にわたって目立つ場合に注意する必要がある、ということになります。
 
星野さんも指摘していますが、同じ「発達障がい」や「ADHD」という言葉でくくったとしても、それぞれのケースは人によってその差はまちまちで、複数の障がいを併せ持つ場合も少なくありません。ただ、感情のコントロールがし難かったり、授業中など常識的に考えれば集中しなければならない時にうまく集中できない(集中する「ふり」すらもできない)ような場面が多くみられたりします。また、相手の様子や表情から相手の思いや感情をうまく読み取れなかったりする、といったことからコミュニケーション能力に難があり、他者との関係をなかなか上手に結べなかったりするケースが多いようです。それに、普通の感覚では気にならないようなところで強いこだわりを示したりする場合も多いように思われます。
 
それから、聴覚や視覚的記憶などある種の感覚的な部分では一般の人々よりも優れている場合があります。優れているがゆえに他の子が聞こえない音が耳に入ってきたり、他の子が自然に無視してしまうようなことが無視できなかったりもします。そしてそのために他の人が無視しているところや無視できることにこだわってしまったり、逆に集中できなかったりして困ったりイライラしたりすることもあるようです。
 
過去においては、一部では普通の子たち以上に優れている面があったり日常のことはそれなりにこなすことなどから、育て方(特に母親)が原因だとの誤解があり、家族や学校などから母親が責められることが少なからず見受けられたようです。けれども、最近の研究で、脳内の微細な傷や神経のつながり難さが原因らしいということが分かってきています。また、遺伝的な要因や環境ホルモンなどの影響なども指摘されています。

もちろん、遺伝がすべてではありません。置かれた環境によっては普通の人には出来ない素晴らしい仕事をする場合もあり、発達障害だから問題だ、ということではないのです。モーツァルト、エジソン、アインシュタイン、チャーチル、太宰治などは今の診断基準であれば発達障害の範疇に入ると考えられているようですし、俳優のトム・クルーズも文字を読む能力に問題を抱えているLDであるとのことです。
 
とは言っても、実際にそのような子どもたちと接している家族にとっては、特に基本的な知識がない場合は「育てにくい子」と感じる場合は少なくないでしょう。また、学校で接する教師にとっても、「教えにくい子」と感じられる場面もそれなりにあることだと思われます。けれども、それなりに知識を得て、一般の定形発達の子どもたちにはOKでも彼らにはマイナスとなる対応を避けながら根気強く接していくと、根は優しく素直な性質を持っていることも多いので、独特の才能を開花していくことにもつながっていきます。
 
親として、家族として、悩みや混乱の真っ只中にいる人は今もたくさんいます。その中でどう対応して良いか分からなくなり、親としての自信を失ってしまうようなこともあるかもしれません。また、周りの無理解に遭遇すると、いやになってしまうことも時にはあるでしょう。それは、親自身の「現実」として当然あり得ることです。でも、本当に何も出来ないのか、というとそうでは無いはずです。とりあえず、出来そうなことを続けてみる…そしてその積み重ねが状況を変えていく。これは子どもたちばかりでなく、親や周囲のサポートする立場の人にも言えることなのです。
 


2011年06月07日(Tue)▲ページの先頭へ
三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会(三重県・考える会)6月講演会案内
三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会
 
(三重県・考える会)

 
6月例会

日時 : 6月12日(日) 13:30〜16:30
 
会場 : アスト津 3F ミーティングルームA


不登校・高校中退・発達障がい

講演と相談会


(名古屋でもあります)

・5月の講演に続き、発達障がいと不登校・ひきこもりについての講演です。5月には話していない高校中退や就労の問題についても話す予定です。
・例会後、スタッフによる不登校・ひきこもりの個別相談も受け付けます。

 
 
以降の例会予定
 
7月 2日(日)   家族の体験談・父親の立場から(予定)
   時間 : 13:30〜16:30  会場 : アスト津 3F ミーティングルームAB
・例会後、スタッフによる不登校・ひきこもりの個別相談も受け付けます。



2011年06月05日(Sun)▲ページの先頭へ
伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会例会案内 (6月)
ぼちぼちいこか
 
(伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会)


ぼちぼちいこか 志摩例会

日時 6月19日(日) 午後1時30分〜4時30分
 
会場 志摩市阿児町鵜方1975
 
志摩市鵜方公民館 1F図書室(または小会議室)

 
(近鉄鵜方駅北口下車・徒歩数分)
 
 電話…0599-43-2211
 浜口/電話…0599-85-2752
  E-mail…ZAN20571@nifty.com
 
子どもみらい会議 伊勢例会
 
日時 6月18日(土) 午後7時〜9時 
 
会場 いせ市民活動センター南館2F

(伊勢税務署横・外宮前交差点のそば)
 
【ちょっとオススメbook】
星野仁彦 著
『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』
        幻冬舎新書 2011年 \740+税
自分自身も発達障害であり、大人の発達障害についての本がベストセラーになった診療内科医の星野先生による発達障害についての本です。最初の方には、親の立場からすれば辛いことも書かれていますが、発達障害についてのサインや克服のためのポイント、話すタイミングや職業選択についても分かりやすく書かれている、どうしても読んでおきたい本です。


   


【サークルぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会】は、事務局の浜口が、【三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会】(三重県・考える会)の世話役をしていたところ、「伊勢志摩にも家族会を!!」という声が上がったため作られたものです。


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浜口 拓/志摩市志摩町片田で小中高15校20年の経験とフレネ教育やカウンセリングの知識を生かした《浜口塾》を開いています。教育相談にも応じます。また文学活動などもしています。よろしければ【TAC雑想記】 【TAC文芸樹】のblogも覗いて下さい。

カレンダ
2011年6月
     
   

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