いじめや不登校とひきこもりを考える@

07,9/8 アスト津での三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会での講演より

2007年09月15日(Sat)
いじめや不登校とひきこもりを考える@
いじめや不登校とひきこもりを考える

 …子どもの現実からの出発…


はじめに
 いじめと不登校・ひきこもり……人間関係を結ぶ力の弱さ
  ・犯人探しで責任を押し付けあうよりも、どう改善していくかが大切
 
 
近年、子どもたちの間の【いじめ】がニュースで取り上げられ、学校現場での【いじめ】やそれに関わっての自殺が大変な問題になっています。また、不登校問題については07年8月の前年度の調査結果の公表(8/10中日新聞06年度で126,764人/前年度より4,000人以上増加)で、不登校が増加に転じたというニュースもありました。
 
2つの現象は、一見するとまったく別のものに思えますが、人間関係を結ぶ力の問題として考えてみると、その増加は、関係を結ぶ力の弱さという共通の現実があり、それが別々の現れ方をしているのではないかと考えられます。自分や他者を受け入れ、相手に共感する力が弱まり、自分の心の内や外部の人間に対する攻撃性を制御する力の弱まり……。それが、様々な問題行動となって噴出しているのではないか、と考えられるのです。
 
相手との関係を言葉や行動を通して友好的にしていくためには、周りに流されずにある程度自分の意思をしっかり持ってそれを上手に伝えられる力と、相手の思いや立場を理解してそれを受け止めながら、自分の思いとのすりあわせを行い、調整していく力が必要です。ところが、そうした、お互いの関係を結ぶ力が弱くなっていることにより、感情の暴走によって生じる攻撃性が【いじめ】という形で外部に向かったり、【不登校】【ひきこもり】といった形で自分のうちに向かったりするのではないかと考えられるのです。
 
今回は、【関係】を結ぶ、という視点からいじめや不登校・ひきこもりの問題を考えてみようと思います。
 
 
 
1、いじめを考える。
  心の弱さとしてのいじめ
   ・子どもだけの問題ではない
   ・心の弱い人間が、自分と周りをごまかそうとしていじめに走る
   ・「犯人探し」よりも、成長のための「事件」に
 
 
いじめは、1人ひとりの人間の心の弱さが根本の原因です。特に、心が弱い人間ほど、自分よりも弱いと考えている相手を自分自身のストレスの発散のためや大人から見ればほとんど問題にすらならないような些細な理由でいじめます。そして、それによって、自分の弱さを他者の目からも、自分自身の目からもごまかしているのです。
 
学校現場でのいじめやそれが引き金となった自殺は新聞でも大きく取り上げられていますが、実は大人の社会でももっと陰湿で深刻ないじめがたくさんあります。1998年以降、日本の自殺者はずっと3万人を超えています。労働現場でのいじめが人々を追い詰め、ウツや自殺にまで至ってしまうケースが非常に多いのです。
 
上の立場にいる人からいじめや無理難題の押し付けをパワー・ハラスメント(パワ・ハラ)と言います。昨今の労働現場ではこのパワ・ハラも問題になっていますが、本当に上司としての能力がある人間ならば、部下が困っていたり行き詰っていたりする際には、その改善策を提示するか、助言できる人間を紹介してサポートしてあげられる筈なのです。けれども、そうした助言やサポートではなく、パワ・ハラが蔓延していく。これは、どう考えれば良いのでしょうか。実は、地位が高くなり権限が大きくなっても、その地位や権限に相応しい能力の無い人間は、本当は弱くて力がないから、権力によって相手を追い込み、成功の結果だけを自分の手柄にしようとするのです。
 
もちろん、そんなごまかしは、本当に心が強い人には通じず、見破られてしまいます。その意味で、本当に心が強い人はいじめなどしません。その必要がないからです。でも、ご存知のように、本当に精神的に強い人は大人でもなかなかいません。だから、いじめはなかなかなくならず、いつでも、どこでも子どもだけではなく大人の世界でも起こり得るものなのです。
 
特に、子どもの時期は、精神的に充分に成長しておらず、ちょっとしたきっかけでいじめが始まり、それが一気に暴走してしまう場合がままあります。ただ、あくまでも成長途上ですから、それを、大人の関わりによって1つの、単なる一過性の「事件」にしてしまい、関係した子どもたち1人ひとりの心を強くし、成長させていくための【良い経験】にしていくことが大切なのではないでしょうか。
 
事実関係を可能な限り明確にし、原因をある程度はっきりさせる必要はあるでしょう。けれども、それを「犯人探し」に終わらせ「いじめはいけない」で締めくくってしまっては、絶対に子どもたち1人ひとりの【良い経験】にはできません。大人としての責任の取り方……はある程度必要でしょうが、それよりも子どもたちのために関係者が協力し合って【未来】を考える契機にしていくことの方が大切ではないかと思います。
 


   


【サークルぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会】は、事務局の浜口が、【三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会】(三重県・考える会)の世話役をしていたところ、「伊勢志摩にも家族会を!!」という声が上がったため作られたものです。


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浜口 拓/志摩市志摩町片田で小中高15校20年の経験とフレネ教育やカウンセリングの知識を生かした《浜口塾》を開いています。教育相談にも応じます。また文学活動などもしています。よろしければ【TAC雑想記】 【TAC文芸樹】のblogも覗いて下さい。

カレンダ
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