不登校とひきこもりを考える…生涯発達の視点からA
不登校ひきこもり問題への取り組みと生涯発達の課題
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2008年06月18日(Wed)
不登校とひきこもりを考える…生涯発達の視点からA
不登校とひきこもりを考える
…生涯発達の視点から… 1、少年期・青年期の「危機」としての不登校・ひきこもり 不登校やひきこもりの問題を、生涯発達という視点から考えてみると、その当事者については児童期や青年期の発達過程の「危機」において関係性などの問題からつまずいてしまっている状態であるとも言えるでしょう。ただ、人間の一生というサイクルで考えれば、学校に通う時期はそれ程長い時間ではありません。長い目で見たときに、家族と共に地域で生活できる状態になれば、学校に行けなかったりした事や、一時の間、他者との関係をうまく結べなかった事などは、それ程問題視する必要はないのです。 ただ、問題をこじらせてしまってひきこもりの状態が長期化すると、特に家族に大きな負担がかかりますし、本人としても成長・成熟へと至らずに足踏みし続けているマイナス面も大きくなるでしょう。だから、支援できる環境を整えながら、長期化しないように努力を続けることが大切になります。 私自身の経験や、日常的に不登校を経験した子どもたちと接している複数の先生方のお話から、不登校やひきこもりの経験を持つ子どもたちや学生、若者たちの中には、人間関係を結ぶのを苦手としている場合が少なくありません。そして、必ずしも不登校やひきこもりに至らないまでも、人間関係を結ぶのを苦手としている子どもや若者たちは、思いの外多いように見受けられます。その意味において、人間関係を結ぶ能力の問題は、現代の子どもや青年たちにとって非常に重要な発達課題と言えるかもしれません。 人間関係を結ぶ際の鍵を握るのはコミュニケーション能力です。現代の日本は、環境としては、ハード面はとても便利になっています。インターネットや携帯電話によって、個別のコミュニケーションを結ぶことも、匿名で不特定多数とコミュニケーションをすることも可能な世の中になっています。けれども、それによって失われてしまった機会もあります。 例えば、昔はガール・フレンドの「家」に電話をかけるために、本人だけではなく、その両親や家族とコミュニケーションをとらなければなりませんでした。それは、電話をかける側からすれば大変なプレッシャーでしたが、その結果、世代や年齢の違う相手と電話で話をする訓練にもなりました。けれども、確実に個人が出ることが期待できる携帯電話では、プレッシャーはないけれども、世代や年齢の違う相手と突然コミュニケーションをするような機会は失われます。そうしたことが積み重なれば、コミュニケーション能力が低下するのは、ある程度仕方のないことなのです。 もちろん、コミュニケーション能力だけが問題なのではなく、現代の青年期にも自立の問題をはじめとするさまざまな発達課題があります。それに、社会の変化によって、良くなった条件や、悪くなった条件など、環境も変化しています。若い世代は、その環境の中で、自分を成長させていかなければならないのです。 それでも、コミュニケーションの問題は非常に重要であることは確かです。が、それを向上させるには、やはり信頼できる「場」、安心できる関係の中で自分の考えや思い、感情を発信し、かつ、それをきちんと受け止めてもらえるという実感が必要です。家庭や、友人たちとのつながり、あるいは好きなことや楽しんで続けられる活動の中でそうした「場」や関係を作っていければ、それは今後の人生において、宝物となります。 けれども、人との関係に苦手意識を持つ場合は、ついつい「苦手」だから……としり込みしてしまいがちになります。しかし、話すのに多少失敗したって、それを理由に全面的に人を嫌ったり、無限に攻撃の対象にしたりするような人間はめったにいません。その意味では、自分の方から一歩踏み出す勇気が状況を変化させることにつながります。例えば、「こんにちは」と言って微笑むだけで、知らない相手であっても「私はあなたの敵ではありません」というメッセージを送っているようなものです。その繰り返しは、お互いの安心感を育み、心を近づけていくことにつながります。近所の人と笑顔で挨拶を交わすだけでも、そんな効果があるのです。 安心感が積み重なっていけば、いろいろなことが話せるようになり、それがまた、安心感を深めていきます。共通の趣味があったり、良く似た考え方や感じ方をしていたりすることが分かれば、お互いに過ごす時間はだんだん長くなり、それが積み重なっていけば、本当に親しい関係や安心して過ごしやすい「場」ができあがります。人間関係を結び、深めていくためには、そのような時間と努力が必要なのです。 ただ、そうは言っても、「どうしたら良いのか分からない」「自信がない」という場合は当然あるでしょう。そんな時にコミュニケーションの技術(スキル)というものが手助けになります。最近は、本屋さんに行けば、話すことや聞くことなどコミュニケーションのスキルに関する本はけっこうたくさん出ています。また、それをテーマにした講演や講座などもあります。それらの中で、自分がとりあえず実行しやすいようなもの・続けやすそうなものを参考にしながら、少しずつコミュニケーションの機会を増やし、経験を積んでいけばいいのです。 それに、すべてを1人で背負い込む必要はありません。誠実に対応していれば、必ず自分の周りに自分を支えてくれる友達や年長者を見つけることが出来るでしょう。そうした人たちとの関係を大切にし、支えてもらったり、支えあったりしながら生きていけば、人間として成長・成熟していけるはずです。 |
【サークルぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会】は、事務局の浜口が、【三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会】(三重県・考える会)の世話役をしていたところ、「伊勢志摩にも家族会を!!」という声が上がったため作られたものです。
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浜口 拓/志摩市志摩町片田で小中高15校20年の経験とフレネ教育やカウンセリングの知識を生かした《浜口塾》を開いています。教育相談にも応じます。また文学活動などもしています。よろしければ【TAC雑想記】 【TAC文芸樹】のblogも覗いて下さい。
カレンダ
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