学習のサポート 6

修正可能な無理のない計画を立てて、学習を続ける

2008年11月24日(Mon)
学習のサポート 6
 
無理のない計画と学習の継続
 
 
それから、細かいステップを意識化するために、計画を立てることも良い方法です。ただ、本人や周りの大人に焦りがあると、無茶な計画や無理な計画を立ててすぐに続かなくなり、やがて諦めてしまいます。そうなってしまわないように、冷静な大人の目で今の目の前の子どもの現実を見極め、無理のない続けられる計画を立てるように持って行くことが大切なのです。
 
例えば、それまで30分すらも勉強できなかった子が突然5時間……という勉強時間の計画を立ててもすぐに挫折しまうのです。20年ほど前の話になりますが、学校の先生に「行く高校がない」と言われて、青くなったお母さんと一緒に私の塾に来た中学生の子がいました。私は、「お母さんも、毎日5時間なんて無理でしょ?」という話をして、その子と「とりあえず、毎日1時間勉強することを目標にし、出来るようになったら、少しずつ増やしていこう」という話をしました。
 
その子はその目標ならできそうだと感じたのか、毎日勉強を続け、やがて少しずつ勉強時間を延ばしていきました。ところが、10月頃に骨折して一月ほど入院したのです。ご両親は「受験に向けて大切な時期なのに」と慌てたのですが、その子は「毎日、マンガではない普通の本や勉強の本を読みなさい」というアドバイスをきちんと守り、退院後の模擬テストで前回よりも良い成績をとりました。そして、地元の高校に無事入学を果たしたのです。
 
フレネ教育の実践でも、学習計画表を立てる……というものがあります。先生や大人の都合ではなく、自分のペースを大事にしながら自分で計画を立て、達成できたら次へ進み、出来なければ計画を修正してさらに時間をかける。それを子ども自身だけでなく、クラスの仲間たちからも確認してもらいながら進めていくことで、意欲を持って学習に取り組んでいけるのです。もちろん、1人で計画を立てるのが難しい場合は、友達や先生のアドバイスを聞きながら一緒に作っていくこともできます。守るための学習計画、こなすための学習計画ではなく、学習をする目安としての計画を立てることで、修正を加えながら、自分にあった「学習」を少しずつ組み立てていけるのです。
 
子どもたちの痛みや辛さ、焦りや恐怖感に共感してあげることはとても大切です。けれども、大人の側がそれに感情的に流されて自分を見失ってしまうのではなく、一方において大人としての冷静な目で、子どもには見えていなかったり意識されていなかったりするような現実を見極めることが大切です。子どもの「現実」をきちんと見極めた上で、学習を無理なく続けられるような環境を整えたり、その瞬間、瞬間に必要なアドバイスをしてあげたりするのも大人の大切な役割ではないかと思います。
 
いろいろと大切な見方や考え方、具体的な例をあげて大人のサポートやアドバイスについて述べてきました。もちろん、これらがすべて正しく、あらゆる子どもたちに通じるとは言えないでしょうし、すべての人がすぐにこのようなサポートやアドバイスを実行できる訳でもないでしょう。けれども、少しずつでも意識しながら続けることでやがてできるようになっていく……というのは、子どもも大人も同じです。子どもたちと同じように、大人の側も、自分の続けることのできる努力を積み重ねて、少しずつ変わっていければ良いのではないかと思います。
 
 
                                 〔完〕


   


【サークルぼちぼちいこか/伊勢志摩不登校ひきこもりを考える会】は、事務局の浜口が、【三重県登校拒否・不登校・ひきこもりを考える会】(三重県・考える会)の世話役をしていたところ、「伊勢志摩にも家族会を!!」という声が上がったため作られたものです。


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浜口 拓/志摩市志摩町片田で小中高15校20年の経験とフレネ教育やカウンセリングの知識を生かした《浜口塾》を開いています。教育相談にも応じます。また文学活動などもしています。よろしければ【TAC雑想記】 【TAC文芸樹】のblogも覗いて下さい。

カレンダ
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